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インド壊滅的な感染拡大 インドの感染拡大が他人事ではないとしたら

インド壊滅的な感染拡大 インドの感染拡大が他人事ではないとしたら

インドの感染拡大が壊滅的な打撃を与えています。世界は第4波と言われたりしていますが、インドは第2波と言えます。

(フィナンシャル・タイムズ2020年4月22日)

上記のグラフで見てわかる通り、インドは山は一つでした。その山が収束してきたかと思った矢先の第2波。これは前回以上のスピードで感染を拡大していっています。現在、1日に約294,000件の感染と2,000人の死亡が報告されています。

急増を引き起こした疑いのある変異種で、インドがブラジルと同じ軌道をたどっているのではないかと恐れられています。ブラジルはよい感染力の強いウイルス株が医療制度と経済に打撃を与えています。

インドは大きな一つの山を越え、パンデミックは過ぎ去ったという雰囲気が国を覆っていました。そのため、次の山はあるとは思っていませんでした。

インドの致死率は比較的低いままですが、他の指標は深刻化の一途をたどっています。以下の図はインドの今回の検査陽性者の数の伸び率です。ヨーロッパや北米の過去3度の波よりも早いペースで上昇していることを表しています。

(フィナンシャル・タイムズ2020年4月22日)

首都デリーでは、約25,000人の新規感染者が記録されており、インドのどの都市よりも多い状況です。そして、症例数は5日ごとに倍増しています。

感染者の入院状況も非常に厳しい状況です。インド中西部の都市ナグプールのICU患者の割合は100万人当たり353人となっており、パンデミック時のヨーロッパのどの都市よりも高くなっています。また、インド第2の都市であるムンバイには、100万人当たり194人のICU患者がいる状況です。

急増する患者に対応するため、当局は宴会場、駅、ホテルに緊急コロナウイルス病院を設置しています。インドでは人工呼吸器での酸素供給を確保し、新型コロナウイルス治療薬のレムデシビル(もともとエボラ出血熱の治療薬として開発されていた抗ウイルス薬)などの医薬品の生産を促進し、ワクチンの迅速承認を実現するための緊急措置を講じています。

英フィナンシャルタイムズはさらなる深刻さを伝えます。フィナンシャル・タイムズの分析では、死亡が過少報告されている可能性を指摘しています。

グジャラート州、ウッタルプラデーシュ州、マディヤプラデーシュ州、ビハール州の7つの地区の地域ニュースによると、最近、主に火葬に基づいて少なくとも1,833人が新型コロナウイルスで死亡したことがわかっていますが、公式発表は228人となっています。

グジャラート州のジャムナガル地区では、100人が新型コロナウイルスで死亡しましたが、報告された死亡は1人だけでした。

このように死者数が低く公表されていますが、実際には死者数は急増していると思われます。

大々的に進めてきたワクチン接種も現在、難しい状況に陥っています。これまでに1億回分以上を接種しましたが、ここに来て不足が指摘されています。世界最大のワクチン製造所であるセラム研究所は、資金不足のため6月までは増産できないと表明しました。インドで作られたアストラゼネカ製ワクチンは、国内での不足を理由に輸出が一時凍結もされました。

国民のガードが下がったときに第2波が来たのが実態でしょう。多くの人が結婚式や集会に出席していました。政府も政治集会や宗教行事を許可しており、それが国民の間に混乱を生み出しているとも言えます。

感染者が減少した時期にワクチンを接種する人が減少したことも一因ともいわれています。また、専門家からは1月から新型コロナウイルスの遺伝子解析に取り組み、変異種の発見に努めるべきだったとの指摘も出ています。インドの感染者急増が変異種が原因であるかどうかを見極める必要があるとのことからです。

インドの現状は他人事とみるべきではないでしょう。日本でも再び感染が拡大しておりますが、まず何よりもこの新型コロナウイルスに対して、抑えこんだ、闘いに勝ったという慢心をしないことが重要だという教訓をインドから学ぶ必要があります。

抑えこんだと思っても、人が動けば感染が広がる、そして、変異したウイルスは感染力が強く、死亡率も上がるかもしれない、今はまだ「かも」ですが、「かも」であっても、予防的にな考えで、感染を拡大しないためのベストを尽くすべきであるといえます。

緊急事態宣言が日本でも再び出されそうですが、ここは、我慢のしどころになりそうです。そして、人との往来が少ない日常の中で、集まることができない日常の中で、生活や仕事を組み立てていくことを進めていく必要がますます高まっています。元に戻るよりも、この方向で進んでいくことを考えていく必要がありそうです。

 

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